前回ご登場いただいた「らぁ麺 高橋」の店主、高橋直也さんから紹介して頂いたのは、飯田市のお隣。下條村に移住し梨農家としての一歩を踏み出している瀧井悠爾さん、まりあさんご夫婦。
お二人とも出身は、関東。
都内で働き、暮らしていく中で、「このまま都会で働き続けるのか。」という疑問を持ち、「田舎での暮らし」「農業に関わる事」を考え始めた時に尋ねたのが、飯田市にも拠点を持ち始めていた悠爾さんの 学生時代からの友人で『ハジメマシテ、飯田』のメディアチームとしてもおなじみの渡辺捷揮さんだったのだそう。
飯田市で地域おこし協力隊をしていた渡辺さんのもとを訪ねた、悠爾さん。
その後、飯田市の隣町の下條村の地域おこし協力隊が募集される事を知り応募したところ、農業に関わる分野での採用が決まり、とんとん拍子に下條村での生活が始まります。
一方まりあさんは、悠爾さんが地域おこし協力隊として活動しながら下條村での生活を始めたころ頃、東京でイベント関係のお仕事をされていました。
東京拠点のまりあさんと下條村拠点の悠爾さんは、お互いに行き来を頻繁にしながら、徐々に田舎暮らしにシフトしていく計画を思い描いていたといいます。
しかし、悠爾さんの地域おこし協力隊の任期が始まったのが、新型コロナウイルスによって移動の制限がかけられ始めたころ。なかなか移動の自由も効かないことに加えて、 まりあさんのお仕事が、コロナウイルスの影響を大きく受けた事もあり、退職と移住を決意。
予定していたよりも早く、二人の下條村での生活がスタートしました。
村での生活も3年目となったお二人に、まず案内して頂いたのが、木陰でもしっかりと夏の暑さがまだ続く梨畑。
この梨園で育てているメインの品種は、『幸水』。
全国で広く作られていて、南信州でも多く作られている品種です。
「大きさは大きく・色は黄色っぷく・果点(梨の表面の粒々)がツルッとしているのが美味しい梨。」と、見分け方も教えて頂きながら。
しっかりと実った梨の収穫は、品種も移り変わりながら10月の上旬まで収穫が続きます。
この梨園を現在切り盛りしているのは、写真にも写るお母さんの飯島さん。
来季から、本格的に独立し就農する予定の2人は、飯島さんの梨園。そして、他にも2件の梨園で併せて8反の農地での梨作りをしていく予定。
現在は、そんな方々と共に梨の面倒を見ながら、働く姿を見て・聞いて日々学びながら現在は修行しているところ。
「選定から始まり、摘果など一年を通して全ての作業が結果に繋がるので、ひとつひとつ考えながらやるのが面白い点であり、難しい点です。今はとにかく、人に自信を持っておいしいと薦められる梨を作れるようになりたい。」
と、お二人は話してくれました。
ちなみに、飯島さんとの出会いは、悠爾さんが地域おこし協力隊として精力的に動いていたことがきっかけ。任務の一環として農業に関わる中で「下條村で、梨農家をやりたい!」と、話をしていたところ、すぐに出会えたのが、村役場で働く飯島さんの息子さん。
親世代の仕事を引き継ぐ以外の職業の選択肢の増えている今、飯島さんの息子さんも梨園を引き継ぐ方の予定もなく、飯島さんも高齢となってきたため為、梨の木も全て切ってしまうことも選択肢に入っていた、そんな時。縁あって出会った事からスタートしたこのお話だったのです。
現在は、年間を通してまるっと一つの流れを飯島さんと共に過ごしているのだそう。
お話を聞きながらも、目の前にある梨の詰め方一つをとっても、
飯島さんが今まで経験してきた事を交えながら、パッと見て判断できる事から、出荷先で受け取って貰う人に対する事まで、アレコレとていねいに伝えているあたたかい姿がみられました。
・
飯島さんに、若い2人に期待する事はあるかとお聞きすると、
「期待するって言い方はしないけど、何よりも『夫婦・家族仲良く健康で、日々健康に畑に出れること。』が1番の望み。」
「梨に関しては、とにかく分からんでも何でも、木に触れてみて考えて知っていくことが大切。何でもそうだけれど、失敗して思う所は出てきて、その度に考えて周りの人にも助けて貰いながら成長していくことが大切。」
と、その強さも感じるあたたかい答えが。
自然相手だから予測できないことも、周りの梨農家の先輩方の知恵も借りたり。家族で手が足りなければ、誰かに助けを求めたりしながら。
とにかく、「家族みんなで心身ともに健康に続けていくこと」と、を繰り返し2人の体調も気にかけながら、お話ししてくださいました。
そこから、次に案内して頂いたこの高台。
(晴れていたら南アルプスも望めるそう!)
この景色の見える場所に建つ立派な古民家を改装しながら暮らしていくのが今後の目標の一つ。
大きく手のかかりそうなお家の改装も建築士や大工の友人。手助けしてくれる仲間たちと共に進めていくそうです。
「都会に住んでいた頃の立場とか気にしながら人付き合いをしていたストレスの全くない、同世代の身内の様な関係性の友人も多くできて、お互い助け合ったり、山や川に行って遊んだりしながら楽しく生活ができることが下條村に移住してきた何より良かったこと。」と語る、お二人。
そして、そんなお二人の元には、新たな家族も増える予定。と、穏やかに語りながらも次々と出てくる目標を家族で、仲間たちと共に乗り越えながらの田舎暮らしの日々を過ごしていらっしゃいました。
「しっかりと発信しているイケてる農家さんはたくさんいて、新しさを伝えてる訳では無いけど、都会生まれの私たちは田舎で生活しながら楽しくやっているよ!という姿を見てもらえたら。」
と、控えめにお話しされていたまりあさんですが、
そんな二人の様子は今後SNSでも発信されていくので是非こちらもチェックしてみてください!
タキイ梨園Instagram
https://www.instagram.com/takii_nashienn/
この記事が面白かった!新着記事のお知らせを受け取りたい!という方はイイねボタンを押してください♪