じいちゃんばあちゃんと歩く飯田も3回目。 このコラムを始めるにあたって、すぐに思い浮かんだ場所がいくつかあって その一つは、最初に書いた動物園。
他にも、公園だったり美味しいお店もあるけれど 夏の季節に行きたいと思っていたのが、ばあちゃんが生まれたところ。
話には何度も聞いていたけれど、実際はまだ足を運んだことがなかったその場所に行ってきまし た。
飯田の街を越えて少し車を走らせて
阿智村の昼神温泉の近くにある、旧宿場町の駒場(こまんば)。
車から見える景色は金色に染まっている稲穂がたくさん。 あの暑かった夏も終わってしまうと思ったら何だか寂しい気分もしてしまうから、不思議なもんで。
それにしても、飯田周辺の田んぼに居る案山子たちの個性的なこと。(車から見えた子たち、もっ といい感じのヤツもいたよ!)
飯田から愛知へと続く国道から一本入ったお蔵や古い街並みが残り
一瞬で違った景色になる旧街道沿いにある駒場。
今、その場所には親族も住んでいなくて
家も取り壊されて小さな倉庫が残っているだけだから
訪ねて帰るお家はないけれど、この辺りにお家があったのよー。
という話を聞きながらフラフラ。
そんな中で、ばあちゃんがニコニコしながら話をしてくれたのは
「じいちゃんはね、駒場のお墓に行かないとー。と思う時期になると、
『さて、阿智のお蕎麦でも食べに行きましょうかねえ。』
って言うの。これね、お蕎麦はもちろんしっかり食べに行くのだけれど、
『お墓参りに行こうか。』って事なの。こんなことってなかなか言えないし、
しかも、直接言わないところも恩着せがましくなくて良いでしょ。」
そんな話。
文字にしてみると、生家だったり離れた地のご先祖様。お墓を守って行くことの大変さも感じるけれど、
日本人らしい祖父母の言葉のやり取りの優しさには、近づいて行きたいところがたくさんあるんです。
じいちゃんばあちゃん、2人ともよく喋るしケンカも沢山してるけど、仲良し。 そりゃそうだよね。
そのまま足を進め、
前日は土砂降りだったけれどそんな雨も止んで涼しいおさんぽ日和だったので
「花崗岩の白い岩場の中にキレイな水が流れているのが良いんだよー。」
と、街道のすぐ脇を流れる阿智川を眺めに行ってみると、
前日の影響から、なかなか勢いのある濁流。笑
思ってた風情を感じること出来なかったけれど 国道はすぐ近くにあるのに、聞こえてくるのは川の流れの大きな音。 たまに聞こえてくるのはいろんな鳥の声。 気づけば目線は、川から上へ。上へ。
この後の時間は、カメラは持たずに
美味しいお蕎麦と、じいちゃんの大好物の甘辛いこんにゃくを
のんびりとおしゃべりしながら食べて今回のおさんぽはおしまい!
本当は、話に聞いていた川の様子とか見ながら夏を感じれる時間になれば。と思って向かった駒場でしたが、
秋の気配を感じに行く1日となりました。
今日のお散歩情報
・駒場を見渡せる橋
所在地:長野県下伊那郡阿智村駒場1507近く