信州の秘境・遠山郷から。
温泉水で育つ「神ふぐ」
南信州の秘境・遠山郷。飯田市中心部からも車で約1時間はかかるこの場所は、長野県と静岡県の県境にほど近い、豊かな自然に抱かれた静かな山里です。
周囲には、「日本のチロル」の通称で知られる下栗の里や、美しい星々の天体観測場所としても人気のしらびそ高原など、知る人ぞ知る観光スポットも点在。遠いからこそ行ってみたい、旅行ツウにおすすめの地域として、メディアにもたびたび登場しています。
海のない長野県のなかでも、さらに奥深い山里。そんな場所が今、意外な食材の新産地として話題になっていることをご存じですか?
その食材とは、「フグ」。
もちろん、通常は海に生息する魚ですが、なんとこのたびこの場所で、温泉水を使ったトラフグの養殖に成功!
「秘境遠山の神ふぐ」と名付けられ、いよいよ12月1日から、養殖地でもある遠山郷の温泉施設「かぐらの湯」内の食事処「ゆ~楽」にて味わえることとなりました。
「表情を見れば、やるべきことがわかる」。
料理長自ら手塩にかけ、養殖に成功
この養殖の担当者こそ、「ゆ~楽」の料理長でもある牧内厚達さん。
長年実験を重ねてきたものの、思うような成果の出なかったこの挑戦を昨年春より引き継ぎ、みごと養殖を成功に導いたのです。
夢の実現までに要した歳月は、約7年。成功の秘訣について牧内さんは、
「人間もふぐも、基本は同じ。よく観察していれば、その環境を気に入っているのか、ものを言わなくてもわかります」と、話します。
今後の事業展開としては、「施設を拡大するのは一つの大きな夢」と牧内さん。
「せっかくのおいしいフグですから、ここで食べていただくのはもちろん、来られない方にもできるだけ味わっていただきたい。
しかも私たちはさばく技術も持っているので、ここで磨いた(下処理した)フグをまずは南信の飲食店に、いずれは長野県全域に広げていきたい。そしていつか、南信州の新たな名物になればと願っています」(牧内さん)
現在のところは、このフグが食べられるのは牧内さんが料理長を務める食事処「ゆ~楽」のみ。提供されるコース料理は、神ふぐのほか、遠山地鶏や信州サーモンなどの地元食材をふんだんに使用し一人1万円。1組4~8名程度で受付可能とのことです。まずはぜひ、お問い合わせください。
【お問い合わせ】
お食事処味ゆ~楽(かぐらの湯内)
電話0260-34-5455
予約受付時間
月~金(木曜除く)
11:00~14:00/17:00~19:00
土日
11:00~19:00
【関連施設】
遠山温泉郷かぐらの湯