はじめまして! 飯田市三穂地区で地域おこし協力隊をしている渡邉捷揮です。僕は3年前、神奈川県からここ飯田市にIターン移住し、今年この地で広告デザイナーとして起業をすることになりました。そんな僕がこれから、僕と同じようにIターンやUターン、祖父母の実家に暮らす孫ターンなどでここ飯田市や下伊那地域に暮らしている同世代の思いや実態を、ファイル形式でご紹介していきたいと思います。

生活のなかで現金収入を得る「仕事」だけじゃなく、「暮らし」も大切にしたい。いや、暮らしに手応えや楽しさを感じたいからこそここに来た。そんな僕たちのリアルをお伝えできたらと思います。

FileNo.1 遠山典宏さん

日本有数の精密機器メーカーに勤務し、シェアハウスで暮らす日々。「地元に戻ってきたからこそ、たくさんの人に出逢えた」

東京の大学を卒業後、実家のある長野県飯田市へのUターン就職を決め、4年ぶりに地元に戻ってきた遠山典宏さん。とはいえ暮らすのは実家ではなく、地元で出会った同世代のIターン者や幼なじみたちと空き家を改修して作ったシェアハウス※です。

「地元に帰ってきたからこそたくさんのかけがえのない出会いがあった。」と語る遠山さんが、飯田で働きながら一体どんな暮らしをしているのか伺ってきました。

※2020年6月現在、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、シェアハウスで県外者の受け入れは行っていません

———————-
出身地 長野県飯田市
———————-
現居住地 長野県飯田市
———————-
Uターン歴 4年
———————-
仕事/暮らし 総務/シェアハウス運営
———————-

━━現在、飯田で仕事をすることになったきっかけは?

東京と地元両方で就職活動をして、地元で仕事が見つかったからです。

━━仕事ではどんなことをしていますか?

精密機器メーカーで総務の仕事をしています。

━━Uターンした理由は?

東京での暮らしは、なんでも揃って便利だし充実していた反面、これからの人生を想像すると土地への思い入れも持てず、東京で暮らすビジョンが見えなかった。それなら大好きな地元で働いて生きていきたいという気持ちになりました。

━━シェアハウス運営をすることになったのはなぜ?

せっかく地元企業に就職したので地域で社会貢献的な活動をしたいと考えていたところ、たまたま地元消防団の友人達とシェアハウスについての話になり「シェアハウスなら遠山郷に若者が集うきっかけになるかもしれない」と考えて立ち上げることになりました。

━━Uターンしてよかったと思うことは?

運営するシェアハウスもそうですが、他にも消防団や公民館活動など、仕事やプライベートと切り離された緩やかな地域コミュニティが地元には沢山あることです。時間的な拘束はあるけれど、新しいことを始めるきっかけになったり、色々な人との出会いに繋がったので良かったと思っています。純粋な自分の趣味だけがプライベートでなく、公民館活動などの「やらなきゃいけない活動」が多いので孤独になるってこともほとんどない気がします。

━━では、大変だと思うことは?

遠山の生活は何ものにも変えがたいほど楽しいのですが、やはり飯田に通うとなると往復2時間かかるので、体力的にも精神的にも辛い時は多いです。

━━今、いちばんの幸せな時間は?

こちらに帰ってきて再会したり新しく出会った仲間と一緒にいるときです。

帰ってくる時には思いもしなかった程、多くの出会いが遠山で生まれました。自分には無い価値観や考え方をもった、楽しい人達と沢山知り合えて、かけがえのない繋がりが増えた事は何にも代えがたいものだと感じています。

━━今、いちばんほしいものは?

アフターコロナでは、色んな出会い、繋がりがこれからも生まれて欲しいと思います。

━━あなたにとって、理想の生活とは?

好きな土地に住んで、一生懸命仕事をして、帰ってきて友達や恋人と乾杯して、そんな今している生活がすでに理想に近いかもしれません。

━━都市部で進路に迷っている後輩たちに何か一言お願いします。

「地元には仕事がない」「働き方の自由がない」「同年代はみんな都会に出ちゃっている」という固定観念があるかもしれませんが、いざ地元に帰ってみるとそんなことはなく、好きな仕事もできるし、昔と比べて企業のあり方も変わってきていると思います。同級生は確かに少なくなっているけど、逆にIターンで入ってくる同世代も増えていて、色々な価値観を知れるので面白いです。

「地元に戻って働く」という一つの選択肢も、ポジティブに捉えてみてもいいと思います。

改修中のシェアハウス
みんなで持ち寄っての夕ご飯

LINEで送る
Pocket