みなさんもご存じのとおり、経済分野でも新型コロナウイルス感染症による影響が大きくなってきており、政府による様々な支援策も発表されています。
こうした状況を踏まえて、今回は「やわらか起業相談室」の番外編として、支援策のひとつで、該当する事業者さんも多くいると思われる「セーフティネット保証」について解説します。
※このコラムでは概要をわかりやすく伝えるために、話を一部単純化して説明しています。ご容赦ください。
そもそもセーフティネット保証ってなに?
融資を受けるとき、業績が好調であったり長年の実績があったりする事業者であれば、金融機関と1対1で融資の相談ができるでしょう。しかしそうではない事業者の場合、金融機関は「リスクが高い」と判断せざるをえないため、金利が高くなったり、長期での融資に対応できなくなったりします。そこで事業融資の公的な保証機関である「信用保証協会」という機関が保証することで、金融機関のリスクを減らして金融の円滑化を図っています。この時、通常であれば事業者は保証協会に対して「保証料」を支払います。
ちなみに飯田下伊那地域は「長野県信用保証協会飯田支店」が対応しています。飯田郵便局のすぐ近くにあるので、郵便局に行ったときに探してみましょう!
話を元に戻して、セーフティネット保証とはなんでしょうか?セーフティネット保証とは中小企業信用保険法という法律で定められたもので、連鎖倒産防止や自然災害など、政府が認定した事象が生じたときに、通常とは別枠で保証協会が保証するとともに、長野県や飯田市の制度と合わせることで保証料の本人負担がゼロで融資を受けられる仕組みです。
こうすることで、緊急時に事業者にむけて円滑に融資が実行される仕組みを整えています。ちょっとややこしいですね!?ちなみに起業される方の多くが利用している創業関連資金も、ざっぱくに言ってしまえば同じような仕組みで動かしています。
今回の新型コロナウイルス感染症については、3月2日にセーフティネット保証が発動し、直近1カ月の売上高が前年同月に比べ20%以上減少した事業者などが対象になりました。
セーフティネットを利用するときに気をつけたいこと
お気づきの方もいるかと思いますが、セーフティネットと言っても「借金=返済が必要なお金」であることに変わりありません。利息も必要です。限りある財源の中で、民間金融機関の資金も活用しながら金融円滑化を図ろうという仕組みが「セーフティネット」の基本的な考え方なのかと思います。
影響をうけている事業者の皆さんの経営状況もそれぞれだと思います。また支援制度も刻々と変わっていきます。どのような支援制度があり、どの支援制度を活用するのが一番適切なのか。お一人で悩まずに我々や金融機関の担当者と一緒になって考えて、このピンチをくぐり抜けられたらと思います。
飯田商工会議所と飯田市金融政策課では、新型コロナウイルス感染症に関する経営相談窓口を設けています。まずは一度、ご相談ください。
電話:飯田市金融政策課 0265-59-7161
飯田商工会議所 0265-24-1500
参考:飯田市役所ホームページ