「信州の夏の暑さはお盆まで」そんな言葉を信じたいけれど今年は、「夏の始まりが遅かった分残暑もきついんだよ。」なんて誰かが言っていましたが、暑い日々はどうなるのでしょう。
暑かったら暑いなりに、涼しい場所へと行きたいものです。この日は、ばあちゃんと水筒を持ってお出かけへ。向かった先は、飯田の駅から車で10分ほど登ったところにある「猿庫の泉」。名水百選にも選ばれたことのある、湧き水をめがけて向かいます。
日中は暑すぎるし、と。少し陽も傾きかけた頃に向かったのですがナビに案内されたその場所に着くと、虫や鳥の声と、木漏れ日の射し込んでくる澄んだ空気があってもう満足。駐車場の目の前の綺麗に手の入った針葉樹林をみて
「あー、いいねえ。きれいだねえ。じいちゃんにも見せてあげたいねえ。」そんなことを言いながら、お水を求めて階段を登って行きます。
「この辺りは、じいちゃんが退職してから何年か野草だったり野花を学ぶ会に参加していたから歩いて回ったけれど、ここまで上がってくるのは女学校の頃以来かな。そうしたら、もう60年も前のことだね。もう、どんなだったか覚えていないよ。ははは。」と、足取り軽く歩くばあちゃんを見て60年前の事、それと60年後の事も思い浮かべてみる。この場所の自然が豊かであり続けながらも、それを人間の手で整えられながら守られている。そんな景色が続いている事に感謝しないといけないし、これからのことに関しては何もできていないけれど想像したりちょっと考えてみたりするくらいの気持ちは持っていたいな。なんてことを思いました。
のんびりのんびり階段を登る事5分弱。到着です。簡単に登れても、油断していた虫対策。一体何ヶ所蚊に刺されたでしょうか。夏、訪れる皆さん。虫対策必須です。
到着早々、水場の奥に鎮座する主の存在が本物なのかを確かめに行くばあちゃん。
見えるでしょうか。
置物かと勘違いしそうな立派な佇までしたが、しっかりとした眼力ギョロリの本物の方でした。
暑かった時間も忘れるような、ずっと触れているには冷たすぎる湧き水をひとしきり楽しみ、
持ってきた水筒にしっかりとお土産の水を詰めて。
深呼吸。深呼吸。深呼吸。
こんな時期に見られるのは珍しいユキノシタも可愛く咲いていました。
一人で来たらわからない、草花の話を「あれー名前なんだっけ。」なんて言いながら、教えてもらって歩けるのが本当に贅沢。もみじを見ながらも「いろはにほへと」と枚数数えながら、「あれは、いろはもみじだね。」
もみじもたくさんだったし、土日なんかは野点(のだて)も行われているみたいなのでまた別のタイミングでも足を運んでみたいところでした。
帰りに、もう一つのお土産を求めに寄り道。
昭和32年から続く味角屋さんのたい焼きを求めに。以前は、白山町にあった店舗から直売所の「麻績の里」と同じエリアで営業されています。
忙しい合間、たい焼きを作る為の型を見せていただきました。一匹づつ丁寧に作られている天然モノのたい焼きをお持ち帰りです。
帰ったら早速、お土産と共にお茶の時間。
気分も良くのんびりと
甘さ控えめな美角屋さんのたい焼きと、
猿庫の泉の湧き水で出した緑茶を頂いて、今日もしみじみ良い時間でした。
今日のお散歩情報
・猿倉の泉
所在地:長野県飯田市上飯田
・美角屋
所在地:長野県飯田市座光寺2193−32