美味しいものをお腹いっぱい食べて、久しき人にもあちこちで出会えるお正月。
のんびりしながらSNSなんか覗いていると、四角いお餅に丸いお餅、
静かそうな神社の景色や、お祭り騒ぎの行列神社。
いろんな文化が景色が本当にあるんだなあ。と。
そんなことを思いながらのんびりと年を越しましたが、皆さんはどんなお正月を過ごされ ているのでしょうか?

歩いたのは飯田じゃないけれど、
(方角的に)飯田の方を向いてみた今年の初日の出で
お正月のご挨拶とさせてください。
あけましておめでとうございます!!!

じいちゃんばあちゃんと飯田を歩くと始まったこのコラムですが、2回連続で歩きませ ん。ごめんなさい。

そんな今回は、書道の先生もしていたばあちゃんと一緒に書き初めを、帰省中の妹と共に。

初心に戻って自分の名前なんかを書き進めていたら、ばあちゃんが最近お寺さんに納めてきた『方丈記』の話をしてくれました。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 よどみにうかぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と棲(すみか)と、又かくの如し。」

話の大方が、内容すっからかんの我々姉妹への解説授業だったけれど
、夏が過ぎた頃から体調をガクッと崩しているじいちゃんのこともあり、 変わっていく事への思いもたくさん出てくる。
そんな話の中で、ばあちゃんが小さな声で言葉にしていた事は、なんだか忘れられない。

「あっという間に変わっていっちゃうから、しゃんとしていかないと。」

画面の中に文字を打ち込んだり、チャチャッと小さい字を書くことしかしていない生活の中、
一文字ずつ、ちゃんと向かい合える習字。
こんなこと書いたらこっぱずかしいけれど、自分に素直になれる気がするし、年明けてすぐに目標を書く「書初め」の文化って、神様にお願いする他力本願よりずっとご利益ありそうだと、私も小さな声で言いたくなりまし た。

書初めを終えて、夕暮れ時にご近所をふらりと歩いてみると、だんだんと中央アルプスが夕焼け色に染まり始めるそんな時間でした。

反対側の南アルプスの方はどこも電線だらけで、カメラかまえるのやめてしまったけれど、
そちらはまだ雪化粧していない山々に、また違った夕焼け色が色づいていってそれも、きれいな色で。

日々この景色を楽しむ心を持つにはまだまだ修行が足りないけれど、写真を撮ろうと立ち止まって見たり、 何もなくても立ち止まれるじいちゃんばあちゃんの話を聞いたりしながら、今年もいい年にできたらいいなと思います。

さてさて今回はインドアで、更に個人的な話ばかりになってしまいましたが、次回こそは寒さに負けずに
飯田の街へと足を運べたらなと思います。
朝日新聞購読者のじいちゃんばあちゃんは、良い「折々のことば」に出会うとそれを書き写して飾っています。
その一つを、おしまいにちらりと。。。

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